最新脳科学情報

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2015.11.17

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幸福度を調べる研究では,たいてい”自己申告”をデータとして使います。

 

例えば,「政治的にはリベラルな人よりも保守的な人の方が幸福」
という研究がありますが,これらはもっぱら自己申告による主観的な幸福度に依拠したものです。

 

Sean Wojcik氏らの研究チームがその研究を深堀りしてみたところ,

保守的な人は,自己の幸福度をより大きく報告する傾向があることがわかりました。

 

また,同チームは人の行動を観察するという実験の中で
”政治的態度と幸福度”の関係についても調べています。

そこでは,以下のようなことがわかりました。

 

(1)リベラルな人の方が,スピーチの中でよりポジティブな言葉を使った

(2)SNSの写真の中で笑顔が多かった

(3)笑顔が,愛想笑いではなかった

  (眼輪筋という目の周りの筋肉が動いている本当の笑顔:デュシエンヌ微笑)

 

つまり,よくよく調べてみるとリベラルな人達のほうが幸せそうだった,ということです。

幸福度を自己申告で測る研究は多くありますが,

”自分が報告する”ということで結果が歪むリスクがあることを教えてくれる研究でした。

 

これからは,表情解析や生理指標などの”外部から観察した指標”から幸福度を測る研究が
より重要になってくると思われます。

 

幸せは目に見えない,とはよく言ったものですが

心理生理学の世界では人のココロの仕組みを様々な指標で明らかにしようと,日々奮闘しています。

(余談ですがセンタンは心理生理学のアプローチで研究をしています)

 

 

【参考文献】

 

Wojcik, S. P., Hovasapian, A., Graham, J., Motyl, M., & Ditto, P. H. (2015). Conservatives report, but liberals display, greater happiness. Science, 347(6227), 1243-1246.

http://www.sciencemag.org/content/347/6227/1243.short