解析結果:主観評価と言葉に現れない生理反応(身体の反応)の「ギャップ」
計測データを多角的に解析した結果、主観評価と言葉に現れない生理反応(身体の反応)との間に、極めて興味深い「ギャップ(ズレ)」が浮かび上がりました。
- 【主観評価(アンケート・VAS)】
処方A(香料あり) = 処方B(対照水) ⇒ 「どちらも同じくらいストレスを感じ、同じくらい疲れた」
- 【自律神経データ(生理指標)】
処方A(香料あり) ≫ 処方B(対照水) ⇒ 「処方A群のみ、ストレス後の自律神経リカバリーが劇的に早い」
① 主観評価および行動データ:統計的有意差は「なし」
MIST課題の前後で取得したVAS(視覚的アナログ尺度)では、両群ともにストレス感や不快感、疲労感が有意に上昇しました(ブロックの主効果:$F(1, 4■) = 8■.41, p < 0.00■, \eta_p^2 = 0.6■$)。これは、設計通り強固なストレス状態が誘発されたことを意味します。
しかし、VAS上の「ストレス」「快・不快」「眠気」「疲労」「課題への自信」などの主観データ、および計算課題の「正答率(acc)」や「反応時間(rt)」においては、処方A群と処方B群の間で統計的な有意差は一切検出されませんでした。
一方で、スプレーの「好み」については、香料を含む処方A群が統計的に極めて有意に高い結果を示しました($t(3■.62) = 5.2■, p < 0.00■$)。
② 生理データが示した隠された事実:統計的有意差が「あり」
主観評価では差が見られなかった一方で、心拍変動や皮膚電気活動などの生理指標においては、負荷終了後の安静期(レスト期)に非常に明瞭な群間差が検出されました。
心拍数およびMean NNの劇的な早期復旧
MIST課題中の急性交感神経興奮を経て、その後の安静回復期(Rest2)に入った際、処方A群は処方B群と比較して、心拍数が極めて有意に低下し(t(3■.05) = -3.4■, p = 0.001■)、Mean NN(心拍間隔)が有意に延長(回復)しました(t(3■.13) = 3.0■, p = 0.04■)。
また、課題実施中も含めた全区間を対象とした分散分析でも、処方A群は処方B群よりNN間隔が有意に広い(交感神経が抑制されている)主効果が認められました($F(1, 3■) = 4.2■, p = 0.04■$)。
副交感神経(リラックスブレーキ)の早期作動
後安静時における副交感神経活動の直接的な指標である「HF(高周波成分)」を比較したところ、処方A群は処方B(対照水)群に対して、明らかに高い有意傾向を示しました($t(2■.89) = 1.7■, p = 0.09■$)。
交感神経系(イライラ・焦り)の早期鎮静
発汗を司る交感神経活動の突発的反応回数である「SCR count」についても、処方A群は後安静において、処方B群よりも低い有意傾向を認めました($t(3■.75) = -1.8■, p = 0.07■$)。