非接触生体データ計測システム rPPG
センタンでは、カメラを利用した非接触での生体データの計測技術(主にrPPG)を生体データの利活用ソリューション開発に活用しています。

「PPG」とは
Photo-plethysmographyの略であり、日本語で光電式容積脈波記録法とされています。細胞組織の毛細血管内の血液量 (容積) の変化を検波する光学技術 (センサリング技術) です。
「rPPG」とは
リモートによる検波技術。カメラで撮影した反射光の量と、RGB信号の変化を抽出して心拍数を推定するため、被験者から距離を置いた場所からでも、生体信号を測定できます。 具体的には、顔画像から色要素を特徴量としてPPGに相当する信号を抽出するアルゴリズムを通じて心拍数を推定します。
上記理論を元に、独自アルゴリズムを開発し、カメラを利用して非接触にて心臓血管系指標(心拍、心拍変動)を計測する技術を研究開発しています。
ご注意:本システムにて表示する情報は、測定結果により特定の傷病や疾患を診断する意図はなく、医療機関での診断に代わるものではありません。また、独自のアルゴリズムで推定しており、測定結果は使用条件により異なり、個人差があります。
特徴
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推定精度の高い心拍推定モデルを構築
rPPGの自社実験において、同時計測した接触型の心拍データと比較した結果、MAE4.39を実現
< rPPGによるストレス課題遂行時の心拍数推定 >
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先行研究と比較しても高い精度
MAE: HR=4.79
Lee et al. (2021) Sensors, 21(20), 6764.
rPPGによるコンピュータ作業時のHR推定
(頭部の動きなどのノイズがある状態での推定)MAE: HR=3.49
Lampier et al. (2022)
Physiological Measurement, 43(7), 075012.
rPPGによる安静時のHR推定(頭部の動きなどのノイズが少ない状態での推定)
“接触型”計測機器との比較
下記のような実験を行い、他社接触型計測機器との差異を明らかにしています。
被験者側条件(各測定5分間)
- Session1:安静(実験時と同様)
- Session2:安静(同上)
- Session3:安静(スマートフォン操作などを許容)
- Session4:体動(座位:左右に揺れる)
- Session5:体動(立位:左右に揺れる)
- Session6:安静(立位)
ECG, PPG
- 接触型製品Pを使用して測定
- 接地電極:首の後ろ
- ECG:鎖骨中央と左わき腹
- PPG:左手人差し指(手のひら側から光を当てる)
接触型製品M
みぞおちの位置にベルトを巻いて装着(装着位置は中央)
PQRST波形を記録するモードで記録
rPPG
顔が中央に来るように、ノートパソコンに接続したカメラ(CU30)を通して撮影・記録
記録に使用したソフトは自社開発ソフト
立位時には顔が映るように画角を調整した(下から見上げるような角度に)
- 座位安静条件(Session 1,2,3)
- ECG、PPG、接触型、rPPGすべての条件で測定値はほとんど一致している。
測定値のばらつきもほぼ同様であり、測定装置間で明瞭な精度の差はない。
- 座位・立位体動条件(Session 4,5)
- ECGと接触型の測定値はほとんど一致しており、測定値のばらつきも比較的小さい。
一方、PPGとrPPGは高めに外れた推定値を返す傾向があり、測定値のばらつきも大きい。
- 立位安静条件(Session 6)
- ECGと接触型はその他の条件と同様にほぼ一致しており測定値のばらつきも小さい。
rPPGは測定値はほぼ一致しているがばらつきが大きく、PPGは顕著に外れている。
rPPG計測サンプル
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